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北井一夫写真展
1980年に 欧州建物紀行

2022年3月11日(金)〜5月24日(火)
開廊時間:13:00-19:00|休廊日:水曜・木曜
入場無料、作品販売あり|作家在廊予定:3月19日(土)

 漠然とした不安は、時として大きな壁となることがある。「村へ」「そして村へ」を撮り終えて、作家の眼前には、空虚な壁があったのかもしれない。1979〜80年にかけて2回、欧州を旅して建物を写した。1920〜30年代の表現主義の建物で、アサヒグラフの連載と、一冊の写真集になった。発表当時、この異相とされた作品群はあまり評価されなかった。

 時を経て、写真の束は、光り始めた。新規の目線と、彼独特の不動の視座が、欧州での日乗を不滅の作品群にした。写真というメディアの持つ、第一義の力、すなわち記録と記憶の相乗効果が、眼でたどる欧州紀行、なつかしき日記を形成し始めたのだ。荷風の作品『断腸亭日乗』を、文字を写真に置き換えて表象したような、独特の風合いを感じさせる。1980年に、存続した建物を土台とし、その時代をまたいでいる人々、風俗、街並み、日々の連鎖が、北井一夫の真摯な眼の動きとともに、伝わってくる。

企画:石井仁志/G&S 根雨 プロデューサー

 
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「1980年に」 1980年 ゼラチンシルバープリント

 

北井 一夫(1944-)

1944年 満州鞍山生まれ。日本大学芸術学部写真学科中退。『三里塚』『村へ』『いつか見た風景』『フナバシストーリー』『1990年代北京』などドキュメンタリー的な写真を撮影、発表してきた。1972年、第22回日本写真協会新人賞。76年、第1回木村伊兵衛写真賞。2013年、日本写真協会作家賞を受賞。出版物は膨大、2020年10月に平凡社より『過激派の時代』も発刊。個展も多数開催。

石井 仁志(1955-)

プロデューサー・ディレクター(G&S 根雨) 細江英公、北井一夫をはじめ、多くの写真家の展示を企画運営。近現代文化史研究、中島健蔵研究、音楽、写真、映像、文学と幅広い執筆活動を展開。清里フォトアートミュージアムのヤングポートフォリオ、新潟大学地域映像アーカイブを支援協力。「生誕百年 中島健蔵展」監修(2004年 東京都写真美術館)『占領期雑誌資料大系大衆文化編』全5巻(2009年 岩波書店)編集・執筆。

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トークイベント
北井一夫×石井仁志(G&S 根雨 プロデューサー)

開催日時:3月19日(土)15:00~16:30

参加費:2,000円(ドリンク付)、要予約

*終了後、サイン会予定、歓談の夕 開催


*トークイベント参加は、メール suibotunokiken2002@yahoo.co.jp 、またはお電話 080-3122-3154(石井) でお申し込みください。