展覧会概要

タイトル: Dol /Dang|Jeju Island―神々の島

作家名: ミーヨン

会場

G&S 根雨

大阪府豊中市服部元町1-6-1-1F/阪急宝塚線 服部天神駅(梅田から11分)下車 徒歩1分

会期

2020年11月13日(金)〜12月15日(火)

休廊日

水曜・木曜

開廊時間

13:00〜19:00

入場料

無料、作品販売あり

展覧会紹介

ミーヨンの写真を初めて見たのは2016年、新潟での個展「Alone Together」でのこと。

世界各地を旅して、モノクロームの丁寧な筆致とでも呼びたくなるような繊細な手業で写し撮られた写真は、旅のさなかにふと、自分が今いる場所が 何処なのか分からなくなるような、見知らぬ風景の中でふと、神様の視点に立ってこの世の全てを見ているような…

時のとまった一瞬に彼岸と此岸、ふたつの世界の往来が二重写しに重ね合わされているようで、その不思議な感触がとても強い印象を私に残した。

それから2年、アニミズムへの強い関心が 、ある本をきっかけに、ミーヨンを沖縄、そして祖国でもある韓国の済州島(Jeju Island)へと向かわせた。

近年の儒教やキリスト教の拡がりによって、今では打ち捨てられつつある済州島の原始宗教の名残りは、島に点在する集落の、地元の人々の案内がなければ決してたどり着くことのできない奥深くに潜む堂(Dang)や巨石(Dol)の姿となって、ミーヨンの前に現れた。

今回はそこで写し撮られた約30点をDol/Dangのシリーズとして初めて発表する。

現代のコロナ禍にあって、信仰の形もまた姿を変えていくのかもしれないが、現代を生きる私たちにも通底する思いを抱えたであろう原始の人々が、祈りを捧げ、大いなるものを信じようとした、その痕跡のひとつがここにある。

企画 ディレクター:小田 鮎子

作品説明

DOL(石)|DANG(堂)
神々の島、済州チェジュ

韓国の南に位置する済州島は、石・風・女が多い島で、三多といわれる。火山活動により形成された島は独特な石の文化を維持しながら生命を育んでいき、石垣、石塔、石像、ゴインドル(支石墓, dolmen)など、石や岩はそれ自体が信仰の対象となっている。「堂」は村の守護神が住んでいる家で、樹が神体。村、家族、島の海女や漁師を守る神を祀る堂が村ごとに存在する。自然や自然現象には霊魂が宿っていると信じるアニミズム、そこから発展したシャーマニズム。島に住む人たちの助けを得てそれらの場所を訪れた。

ミーヨン

 

アーティストトーク

開催日時

2020年11月14日(土) 16:00〜17:30

出席者

ミーヨン、石井仁志(G&S 根雨 プロデューサー)

参加費

1,000円

定員

15名(要予約)

プロフィール

ミーヨン Mi-Yeon(1963-)

1963年韓国ソウル生まれ。1988年渡仏し、パリ写真学校 ICART PHOTOで写真を学ぶ。1991年より東京在住。思想や哲学、信仰などをモチーフに、「存在することの確かさと不確かさ」を問う作品をつくり続ける。主な個展に「I and Thou」(2016年 Anne Clergue Gallery アルル|2016年 Salon du Panthéon パリ|2017年 ギャラリーMuan 長岡)、「Alone Together」(2013年 冬青社 東京|2015年 Space 22 ソウル|2016年 新潟絵屋 新潟)、「よもぎ草子ーあなたはだれですか」(2016年 ギャラリーMuan 長岡|2017年 ルーニィ247 東京)など。フランスの写真フェスティバル Photo Saint-Germain (パリ 2015)、Regards d’ailleurs (ドルー 2017)、Promenades Photographiques (ヴァンドーム 2020)に出展。写真集に『Alone Together』(2014年 kaya books|2017年 Noonbit Publishing co.)、『よもぎ草子ーあなたはだれですか』(2014年 窓社)、ハンドメイドアーティストブックに『I and Thou』(2015年)など。

webサイト

https://mi-yeon.jp